女性向けカクテル
バーテンダーのシプリアーノです。接客をしていて良く思うんですけど、BARって女性には注文のしづらい雰囲気があるみたいです。お酒のことなんて知らないし、下手に強いのが来てしまって酔った姿も見せられませんしね。
なのでこの記事では、「BARには興味あるけどなんだか抵抗のある女性」「デートを控えている男性」向けのカクテルを選りすぐってご紹介しますね!
前置きですが、「女性向けカクテル」とググって1ページ目に表示されていたまとめ系のサイトや個人のブログに載っていたカクテルは、どうも僕の感覚とは違いました。
見た目は美しくても度数が高かったり、ただの一般的なロングカクテルを「女性向け」と謳っていたりした居るだけですので、どうか皆さんが惑わせられませんように!
長くなりましたが、さっそく見ていきましょう^^
ロングとショート、何が違う?
まず前提として知っておいてもらいたいのが、これです。カクテルにはロングカクテルとショートカクテルの2種類が存在します。
ロングカクテル
長い時間をかけて飲むようにレシピが作られているのがロングカクテルで、一般的にはタンブラーに氷を入れた状態で提供されます。誰でも聞いたことのある「ジントニック」や「カシスオレンジ」、「スクリュードライバー」なんかも、立派なロングカクテルです。
度数にすると10~高くても20度のものが多いのも特徴です。
ショートカクテル
それらとは反対に短い時間で飲み切るようにレシピが作られているのがショートカクテルです。短い時間でもしっかりと酔えるように、度数は30度前後のものが多いです。
皆さんがカクテルと聞いて連想するショートグラスで提供され、短い時間で飲むため、氷は入っていません。その代わりにシェイカーを振ってしっかりと冷やされたカクテルが出てきます。
ロングカクテルの方が飲みやすい!
これらのことを踏まえて考えると、ロングカクテルの方が飲みやすいことが分かります。
「男だからショート」「女だからロング」という考え方はナンセンスですし、「持って帰りたい女に強い酒を飲ませよう」という輩は、酒の力を借りないと男を見せられない軟弱者であると言えます。
ですが医学の観点からみると、「筋肉にはアルコールを留めておく力があるが、脂肪にはない。」つまり人体の構造上、男性より女性の方が筋肉量が少ないため、一気に肝臓に負担がかかります。
個人差こそありますが、多くの男性より女性の方が酔いやすいのはそのためです。お酒は楽しく飲むのが一番ですから、男女にかかわらず無理な飲み方・無知な飲み方はおやめください。
スタンダードなロングカクテル
どこの店に行っても大体置いてあるであろうロングカクテルを女性に喜ばれた経験則から紹介します。
チャイナブルー
ライチのリキュールの甘さと香り、グレープフルーツジュースの甘みと酸味が見事にマッチしたカクテルです。青が非常に美しく映え、「カクテルを飲んでいる実感」を感じられる一品です。
色が綺麗なうえに甘すぎず、トニックウォーターで割ってあるので非常にさっぱりとした清涼感もあります。色、味、飲み口、全てにおいて女性受けのするカクテルです。強いて弱点を挙げるとしたら、一般的過ぎて「特別感」が薄いことでしょうか。
僕も大好きで、よく飲むカクテルです。
テキーラサンライズ
「テキーラ」と聞いただけで身構えてしまう人は多いのですが、それはテキーラの正しい飲み方を知らないからです。ジントニックのジンも、ラムコークのラムも、テキーラと同じ40度です。
テキーラサンライズは、テキーラをオレンジジュースで割ったものに「グレナデンシロップ(ザクロの液糖)」を落とし、少しだけスプーンで混ぜ合わせることによって朝日が昇ってくる様なグラデーションを作り出すカクテルです。
最初は名前とイメージが違って驚くと思いますが、テキーラの美味しさを知ることができる最高のカクテルです。オレンジジュースとグレナデンシロップのトロピカル感で、アルコールを感じ過ぎずに美味しく飲めます。
マドラーやストローとセットで提供されることが多いと思うので、混ぜてから飲むことをお勧めします。ストローでそのまま飲むと、最初はグレナデンシロップの味しかしませんよ!
スプモーニ
カンパリという甘苦いリキュールとグレープフルーツを合わせたものを、トニックウォーターで割ったカクテルです。甘すぎるのが苦手な方には非常にお勧めです。
色合いと爽やかさから女性にもとても勧めやすい一杯です。
カンパリは薬用酒としても知られています。僕らバーテンダーも、飲みすぎた時や二日酔いの時にはスプモーニやカンパリソーダを良く飲みます(笑)
メニューに載っていないけど作れるであろうカクテル
カクテルはリキュールの組み合わせで無限に近いレシピが存在します。オーナーの好みによって、メニューに載っていたり載っていなかったりするけど、「まぁあるだろう」という女性向けカクテルを紹介します。
ダージリンクーラー
紅茶のリキュールをベースに、キイチゴ(フランボワーズ)のリキュールとレモンジュースを加え、シェイカーで振った後、ジンジャーエールを加えます。
何を隠そう僕自身が一番好きなカクテルでして、女性のお客様にカクテルを頼まれたときは結構な割合でお出しします^^
実際に彼女が飲みに来たことがあるんですが、一番最初は「カクテルの魅力を分かって欲しい」と思い、ダージリンクーラーを作ってあげました。
カクテルとしての完成度が非常に高く、甘み・酸味・爽快感のバランスが非常にいいのが特徴です。たまに注文されることもあり、人気・知名度が少しずつ上がってきている気がします。ぜひ飲んでみて下さい!
ピュアラブ
上記ダージリンクーラーのベースを、紅茶からジンに変更したものです。カクテルバーでもないとメニューには載っていないことが多いのですが、甘いのにさっぱりして美味しいので、お勧めです。
名前が可愛すぎて注文を戸惑ってしまうかも知れませんが、気にせず行きましょう。僕は一人で飲みに行ってカウンターに座って「セックスオンザビーチください」って言います(笑)
セックスオンザビーチ
出てきたので書いておきます。メロンリキュールをベースに、ウォッカとフランボワーズを加え、パイナップルジュースで割ったものです。
超刺激的な名前とは裏腹にトロピカルで飲みやすいので、「甘いのが好き」「フルーツ感ほしい」方にはお勧めできます。知らないバーテンダーはいないと思うので、堂々と注文しましょう(笑)
エルディアブロ
テキーラにカシスとレモンジュースを加え、ジンジャーエールで割ったカクテルです。テキーラがベースに使われていることや「ディアブロ(悪魔)」という名前から、残念ながら紹介しても注文されづらいカクテルです。
なので、お任せの注文を頂いたときに積極的にお出ししています。
「テキーラとカシスって合うの?」という声が聞こえてきそうですが、何も問題ありません。鮮明な赤色とその飲みやすさから、女性からの人気は根強いです。
ソルクバーノ
ラムベースのお酒です。スプモーニやチャイナブルーなどと並んで「モーニ系」のカクテルです。グレープフルーツジュースがふんだんに使用され、トニックウォーターで割ってあります。
こちらも甘すぎないのが好みな方にお勧めです。
オリジナルオーダー
いくつかのカクテルを挙げてみましたが、実際にBARに言って注文するとなると、パッと思い浮かばないことの方が多いと思います。そんな時はぜひバーテンダーに要望を伝えてみて下さい。
オーダーする際の留意点
難しいことは考えなくても、きちんとヒアリングしてくれると思いますが念のため。
・今が何軒目なのか。
・甘いのが良いのか、さっぱりしたのがいいのか。
・炭酸が利いているのがいいか。
など、少し具体的な情報を伝えてあげるとお互いの為になるでしょう。
僕は酔っぱらった女性に「私のイメージでぇ~」と、話を聞いてもらえなかった記憶があります。ああなってしまうとせっかく一生懸命作ったものも、覚えていてくださらないような気がしてなりません。
まとめ
「BARに興味のある女性」「デートを控えている男性」向けに、お勧めのロングカクテルを載せてきました。少し考えただけでこれだけ思い浮かぶので、これらはまだまだ氷山の一角だと覚えておいてください。違う分け方でも上記カクテルをまとめてみます。
モーニ系カクテル
・チャイナブルー
・スプモーニ
・ソルクバーノ
トロピカル系
・テキーラサンライズ
・セックスオンザビーチ
甘さっぱり系
・ダージリンクーラー
・ピュアラブ
・エルディアブロ
最後に
この8つのカクテルは本当に本当に、かなり厳選しています。が、対象は「すべての、お酒が飲める女性」とかなり広いので、「私はもっとこういうのがいいのよ!」という方もいらっしゃるかと思います。
そういう方はご自身の飲み方をきっとご存じなんでしょうし、個人差は必ずありますので、僕の記事が必ずしも正解とは限りません。
ただ、「女性向けカクテル」でGoogle検索したときに上位に表示されるページの内容があまりにいい加減であると(僕個人が)感じたため、「もっとお勧めで美味しいのがあるんだぞ!」と、どうしても紹介したくなってしまったのです。
今後も加筆したりショートカクテル版を更新したり、第2弾以降が出てくるかも知れませんが、その時はまたよろしくお願いいたします^^
バーに敷居の高さを感じてましたが、何を頼むかが決まるとなんとなく行きやすい気がします!!
写真もあってめっちゃわかりやすいです♪
バーテンダーさんの視点で
お気に入りのバーの見つけ方とかありますか?
mamekkouさん
コメントありがとうございます。
俗にいう「銀座のBAR」だと敷居は高いかも知れませんが、ほとんどのBARはどんな人が来ても気さくに接してくれるものです。
固いのは制服だけで、常連さんが多くつくバーテンダーさんは個性が突き抜けている人が多いものです(笑)
「お気に入りのBARの見つけ方」ということですが、mamekkouさんがどのようなお店を好きなのかが分からないので推測でお答えします。
どんな店も基本的には入ってみないと分からないのですが、BARが怖い場合は事前に情報収集をします。ネットで拾える情報は公式ページや飲食媒体(ホットペッパーやぐるなび、食べログ等)、SNS等があります。
お友達からの紹介や、一緒に行ってみることによっても、かなり入店はしやすくなると思います。
気に入るかどうかはmamekkouさん次第なので、「これがあったら気をつけろ」という例を何個か挙げます。
・スタッフと常連の身内感が強い。
・実際の年齢と関係なく、若いノリ(うぇーい)の接客が浸透している。
・バーテンダーがお客さんの前で煙草を吸う。
・クラブみたいにガンガン曲が流れている。
・「なんだか」美味しくない。
挙げればキリはないですが、直感を大切にされてください。男女・従業員・客問わず、酒の席ではいつか必ず不届き者に出会います。
気に入った店が見つかればいいですね。どうしてもなければいつか僕らのお店にも来てください^^
takkyさん
ご丁寧にありがとうございます(^^)
なるほどです!
お店が山ほどある中で、
逆の条件を教えてくださるところ、さすがです!笑
1人でも行けるような行きつけあったらかっこいいなあなんて。笑
こういう風に考える20代女子多いと思うので、ぜひいつか記事にしてください
(勝手にリクエスト)笑。
mamekkouさん
女性が一人で行けるようなお店って、案外無いんですよね。
でもBARとしては女性客は大歓迎です。カウンターに居てくれるだけで華があり、男性客の単価も上がります(笑)
敷居の高そうなお店の方が、女性に対するセキュリティは安心できるかもしれません。
何にせよ、行ってみて1杯飲んでみることでしか分かりません。
リクエストも、ありがとうございます。貴重なご意見、ありがたいです。
女性向けの記事を考えてみます^^