~なぜホビーメディアは「転売」を容認してはいけないのか~を読んで
目次
音声版↓
ども、シプリアーノです。昨日の記事はとても多くの方に読まれ、いつも通りほとんど反響はありませんでしたw
ですが数少ない反響の中に「とあるメディアが投稿している記事を読んで転売屋目線での感想が聞きたい」というリクエストがありました。
それがこちらの記事です↓
リクエストをくださったのは「ともまや」さん。立場的には恐らく転売反対派・純粋なホビーファンの方だと思うのですが、僕の書いた記事に対して無差別で噛みつく事なく、丁寧に意見を聞きたいと言ってくださいました。
FF外から失礼します。
よければこちらの記事を読んでいただいてその上で転売屋目線でどのような感想を持つのか非常に気になります。
お時間ある時で構いませんのでご一読していだければと思います。https://t.co/ScJrTD7nNs— 🐶ともまや🦊 (@tomomayawankoro) July 27, 2021
おかげで1記事原稿を書くことができます。ありがとうございます(*´꒳`*)
先にお伝えしておきますが、これからお話しする内容は転売屋目線ではなくシプリアーノ目線です。そちらはご理解下さい。
もう一つ付け加えますと、ホビー転売に関しては僕がやりたいビジネスモデルでは無かったのでやっていません。故にホビーファンと転売屋双方の気持ちがなんとなく分かる「ええ感じ」の立ち位置だとも思います。
それでは内容に入っていきます。
結論3点
①僕は転売賛成派ですが、モラルのない転売屋さんがいる事に問題意識はある
基本的に転売は賛成派です。理由は
- 小売店の不良在庫を買い取ることで現金化と在庫スペース確保に貢献
- 運送会社には送料を支払い貢献
- 自分は利益を得る
- プラットフォームに手数料と雇用の確保で貢献
- 消費者に商品をお届け
- 国に納税
この6つです。商売の基本は三方よしといいますが、とても多くの方支えられ、同時に貢献できる良いビジネスモデルだと思っています。
それと同時にマスクや石鹸などを買い占めたり、小売店で一般客の邪魔になったり、商品を雑に扱ったりする行為は迷惑だと思っています。
多くの場合「転売ヤーめ!」と、一部の人から目の敵にされるのはこういった行動をする一部の人間です。
同じ商売をする中で、同人種だとは思われたくない方も多いのがせどり・転売界の認識であると思っています。
業界全体の将来を先細りにしていく行為だからですね。
②ホビーメディアの立場からすると、当然「容認する」とは言えないだろう
ご紹介したメディアの記事も、執筆されているのがホビーメディア「HOBBY Watch」です。
彼らの立場からするともちろん、「転売良いですよ」といった発言は避けるべきです。
なぜなら一般の消費者(転売屋が嫌いな人たち)を、感情的に敵に回すことになるからです。
今回起こったHJの騒動もまさにこれが原因であったと思っています。
前回の記事でお話しした通り、当該編集者さんの言っていることは極めて「正論」であったのですが、そのお立場とご自身の口調を顧みなかったことが炎上の原因だと思っています。
というわけで「HOBBY Watch」の意見も、そういった発信内容になることはよくわかります。
③「転売は絶対悪」という主張の方とは最初からお話が成り立つはずがない
結論②でお話しした通り、メディアの立場や発信の内容は理解しています。
が記事本文中にもありました「転売は絶対悪」という主張、これをなくさないことには議論の余地がないということです。
この考え方こそ「対岸の正論」であり、構図はHJの炎上と変わりません。
日常で起こる人間関係のトラブルも、人種差別も、戦争も、元を正せば「私は正しい(相手は間違っている)」という部分から来ています。
今回の目的は一般消費者やホビーメディアと仲良くすることではなく感想文を書くことなので、僕が一方的に寄り添う形になると思います。
が、相手の主張を部分的にでも認めることができなければ話は永遠に平行線。
「転売は絶対悪」という考えが根底にあると、何をしても「~だから転売が悪いよね」という考えに行き着きます。
長くなりましたが結論3つはここで終わり。ホビー業界の問題点をお話ししていきます。
ホビー業界の問題点:メーカーの売り方と過激派の考え方
メーカーの売り方
転売行為が違法でない以上工夫して追い出すしかないと思うので、問題点はやっぱり工夫しないメーカーにあると思います。
というのも、
彼らがなぜ”悪”なのかという根本の問題をもう1度考えてみたい。彼らは「良い商品を届け、さらなる良い商品を届けたい」というメーカーと、「良い商品が欲しい」というユーザーの関係を破壊する存在だからだ。
引用ーhttps://hobby.watch.impress.co.jp/docs/special/1340233.html
という表現があったのですが、メーカーも卸も小売も結局は営利企業です。
最終的に売り上げと利益が数字として残っていれば、消費者に思った価格で商品が届かなくても、炎上騒動が起こっていようとも、経営に全く問題はないのです。
先ほど立場のお話ししたのと同様にメーカーや卸、小売も「転売いいですよ~」とは口が裂けても言いません。
一般消費者の感情を、あえて逆撫でする必要はないからです。
というわけでどれだけ公式サイトに「転売は容認しません」と書いてあっても、インタビューで「転売は困ります」と答えても、腹の中で何を考えているかはご本人たちしか知らないのです。
①なぜもっと生産しないのか
最も単純に思い浮かぶ疑問です。
本来「いい商品をユーザーに届けたい」のであれば、売れたら売れただけ作ればいいんだと思います。
転売屋が100個買い占めても、一般消費者100人に届くように200個作ればいいんです。
そうすれば損をするのは転売屋さんだけだと思いませんか?
その流れで転売は衰退していくはずです。
販売個数を限定することなく、会員が予約をすれば見合った個数だけ生産する仕組みではダメなのでしょうか。
きっとそれではダメなのです。永遠にプレミアになりません。
メーカーサイドとしても生産した商品がプレミアになり、名前が売れ、ブランドの底上げがされることを望んでいるのではないでしょうか。
②なぜもっと上手に売らないのか
思考停止でこれまで通りいつも通りの販売方法を適応し「転売は禁止です」というのでは、口だけになっていると思うのです。
本当にファンに届けたい想いで商売をしているのなら、先述した受注分だけ作る方法でもいいでしょう。
そうでない、限定品を個数を絞って売るのであれば値段を下げていく逆オークションでもいいでしょう。
個人事業主が定価で買って、定価より高い価格で売るから叩く人が現れるのです。
例えばメーカー本体があるフィギュアを「100万円からスタート!」とし、誰でもオークションに参加できるようにすれば、欲しい人から高い金を払って落札できる健全なシステムとなります。
全く価値のないフィギュアであったなら最終的に「では1000円ならどなたかいませんか?」となるかも知れません。
いくらでも工夫のし様はあると思うのですが、なぜしないのでしょう?
これまでのやり方で売り上げが立ち、利益が残っているからです。あとは口で「転売はダメです」と言っておけばいいのです。
と、僕はメーカーに対してこのような疑問がいつもあります。
過激派の考え方
本当に欲しい人が手に入れられない
ホビーメディアやファンの方が思考停止でまるで合言葉のように、「本当に欲しい人が手に入れられない」「本来流通に存在しないはずの存在が転売屋」というようなことを仰います。
もちろん言いたいことはわかるのですが、ここでいう「本当に欲しい人」に実は転売屋も含まれていることを忘れてはならないだろうと思います。
ファンは純粋にプラモデルやキャラクターを楽しむために、転売屋は自らの利益のために、どちらも本当に欲しい人なのです。
「それは本当に欲しい人じゃない」という意見も聞こえてきますが、それを言い出すと最後には「転売は絶対悪」の考えに到達するので何卒、一旦保留してください(*´꒳`*)
手に入れる努力が足りない?
HJの編集者の方は「頑張れなくて買えなかったんだから、頑張って買った人からマージン払って買うのって、普通なのでは。」とツイートされていまして、この部分も結構燃えていますね。
これに対して一部のユーザーは「うちの子は障害があるけどプラモデルだけは好きで・・・」とか「サラリーマンをしながら並べっていうのか」とか、いわば極論的というか限定的な例を持ち出して反論していました。
個人的には表現の問題も結構あったと思っていまして、例えば「本当にプラモが好きなんですね!僕もファンなので嬉しいです。次は有給取ってでも朝から一緒に並びましょう!」みたいな表現だったら、ここまで炎上してはいないと思います。
そして次に思うのは条件は同じ、ということです。
転売を専業でしている人って、そんなに多くないんです。ほとんどの方が副業で、学生・主婦・サラリーマンです。
目当てのグッズを購入するために有給を取って朝から並ぶ人、見たことあります(*´꒳`*)
目的が「自分で楽しむ」か「売って利益を得るか」という差はありますが、手に入れるまでの条件・欲しいという気持ちは同じなんです。
それを圧して「あいつが手に入れて私が手に入らないのはおかしい」というのは、乱暴な表現と思わなくもないです。
転売を排除しよう
転売こそが諸悪の根源だ。転売さえなくなれば大丈夫だ。全部転売が悪いんだ。本当にそうでしょうか?
恐らく転売が定期的に炎上している中には、なんの商品知識もなく、何が経緯で起こった炎上かも知らず、とにかく過激な言葉で油だけを注ぎ続けている人がいると思います。
この類の人たちは特に何の理念や論理も持ち合わせておらず、感情論を振り回してお祭りに参加しているだけなのです。
モラルのない転売業者は事実としていますが、モラルを守って関係各所を大切にする業者がほとんどです。
そして対岸には本当に商品を楽しみにしているホビーファンがいて、とにかく転売屋を潰したい人種の人が紛れているんです。
まとめ:販売の仕組みが悪すぎる
先ほどもお話ししましたが、何の工夫もない状態で従来の販売方法を継続していて、「転売はダメです」と言ったところで何の抑止にもなりません。
同様に転売やせどりの個を全くみようとせず、食わず嫌い的に転売は悪であると決めつけるのも、何の解決にも向かいません。
僕は以前からモラルのない業者がいることは体感していましたし、今回のことで本当のファンの方がどのような気持ちなのか、何となく理解できました。
ですが違法でない限り取締ることはできませんし、沢山の業界に貢献し多額の納税をする転売業全体が違法になることも考えられません。
それらの要素をまとめた時に、原因はメーカーの売り方にあると、これも前々から思っています。
最後にはなりますが、もしこれを読んで下さった方の中に本当に、ご自身が、明らかに、転売屋のせいで、損害を被ったという方がいらっしゃいましたら、今回の記事内容はご不快であったこと申し訳なく思います。
こういった境遇の方はよくよくご自身を省みていただければそう多くはないと思っています。
何か少しでも平行線ではなくなるように、良い方向に向かえばいいですよね(*´꒳`*)
最後までお読みくださりありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう^^
コメントを残す